家族ができることは?セルフネグレクトのサインと接し方
大切な家族が、もしかしたらセルフネグレクトかもしれない。そう感じた時、どうすればよいのでしょうか。焦りや怒りから、本人を責め立ててしまうと、事態はさらに悪化してしまいます。ここでは、セルフネグレクトの初期サインと、家族としてできる望ましい接し方についてお伝えします。まず、気づくべきサインには、いくつかの段階があります。初期には、入浴や着替えの回数が減る、身なりに構わなくなる、食事を簡単なもので済ませるようになるといった変化が見られます。次に、部屋の片付けができなくなり、ゴミが溜まり始めます。さらに進行すると、健康診断や持病の通院を怠るようになり、社会との交流を避けて引きこもりがちになります。これらのサインが複数見られたら、注意が必要です。では、どのように接すればよいのでしょうか。絶対にやってはいけないのは、「だらしない」「なんでこんなこともできないの」といった言葉で、本人の人格を否定することです。本人は、自分でも問題を認識しており、深い罪悪感や無力感を抱えています。非難の言葉は、その心をさらに深く傷つけ、固く閉ざさせてしまいます。大切なのは、非難ではなく、心配している気持ちを伝えることです。「最近、よく眠れてる?」「あなたの体のことが心配だよ」というように、「私」を主語にした「アイメッセージ」で伝えることで、相手は素直に耳を傾けやすくなります。そして、無理に解決策を押し付けるのではなく、「何か困っていることはない?」「一緒に考えようか」と、本人の意思を尊重し、対話の機会を持ちましょう。家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターや精神保健福祉センターといった専門機関に相談することも非常に重要です。専門家の力を借りることが、本人を救い、そして家族自身をも守ることに繋がるのです。